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こちらは、主に素直でクールな女性の小説を置いております。おもいっきし過疎ってます
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幽霊(仮) 出来ているところまで(笑)

 今年の2006年の夏頃から書き出していた作品なんですが、十二月中には終らせようと誓い、チャレンジすることにしました。そうなると、死線はどうすんだってことになりますが、死線は三月中に仕上げることにしました。


 この作品はエログロメインなので、“エロイグロイ”が苦手な方は、ご遠慮下さい。ではでは行きましょう――“幽霊(仮)現在出来上がっているところまで。一応直クール作品”スタート。


 1.
「あーあ、何だこれ? 多いよねぇ、ホント」僕は頭を掻いた。
 室内は、蠅や虻にすら敬遠される様子。物が散乱していた。



 2.
 僕はこれといって、人が死ぬことに対して怖いと思ったことは無い。
 目の前で人々が、無残にも――色々と形容詞はあるが、あえてこの表現を使用する――“えげつなく”且つ猟奇的の殺されようとも、僕は何も感じない。そのスナッフ画像に出てきそうな場面に遭遇しても、その人が簡単に、鈍器でも銃でも鋭利な刃物でも何でも良い、頭蓋骨が陥没しようが、銃弾が頭皮を貫いて、固形排泄物混じりの下痢気味のような脳みそが流れ出たとしても、だ。
 もっと分かりやすい表現で形容すると――中華料理にある、素敵猿の脳味噌シャーベット料理――猿がシャンプーハットを被っているとする。帽子の部分とつばの部分の境目に、水圧で行うレーザーメスを入れて頭の帽子の部分をとってみようか、ほうら、綺麗な皺の寄った脳味噌が見えないか? そこへ麗らかな光沢のある真鍮のスプーンを差し込んでみて、掬い上げてみて。もう救えないけれど、余程特化した感情を抱いていないと何も感じない。恐怖を感じることは皆無だった。
 ただ、足元で横たわる――その女性――となれば、違った話になる。のたっと、転がる分別が小難しい生ゴミならば、軽くオーガニズムを感じながら、脳に神経を張り巡らせて、いそいそと比喩し一人――自慰行為するのだが……その女性は違った。僕は安易な自慰行為を出来ないでいた。
 便所に生息する丸虫扱いが出来るほどの、糞くだらない女性ではなかった。その女性は――聖母――だった。僕にとってのマリアでありナイチンゲールであり、慰安婦の側面を持ち合わせる女性でもあり、汚したくとも汚すことの出来ない崇高的な女性だった。
 やんわりと、そりゃあ腹黒い一面も知っているが、その気の悪い考え方も含めて彼女は愛おしい。足元に、頭部と胴体が離れて全てが酸化し、どす黒くタンパク質の塊に姿を変えようとも愛おしいのだ。僕にとっては、かけがえのない女性だった。
 しかし喜びを感じ背徳に苛まれながら、僕はその女性を椅子へと座らせた。



 3.
 深く埋められ押しやられるように、太陽が山間に消えてゆく。辺り一面を真紅に染め上げて、翳り始めていた。夕刻の食堂は、窓から紅い光が射し込まれ、内部も真紅に染め上げていた。
 長方形の豪華なテーブルは食堂の中央に置かれいる。天井から吊るされたシャンゼリアは蜘蛛の巣が貼られ、ゆらゆらと揺れる。湿っている牛肉を入れる袋も何かで吊られ、ゆらゆらと揺れている。僕は席について、料理を待っている状態にいた。何かの雫が降っていた。
「ごめんね、ゆうちゃん。ろくなモノが無くて……」
 少し疲れた面持ちで現れたのが同級生の女。髪は後頭部のつむじ辺りで括り、幅の広いレースのリボンで一つに束ね、長さは肩に掛かる程度。そしてナチュラルなメイク。紫がかった薄い藍のアイライン、パールが乗る。頬は肌色に近いサーモンピンク。唇は押さえ目の、どちらかといえばピンクに近いレッドのグロス――艶が印象的だった。
「いいよ別に。どうせ、食べられないから」僕は答える。
「どうして?」女が聞く。
「分かっている癖に」僕は間髪いれず答える。
「そうね」女が悲しそうに唇を噛んだ。
 こげ茶の花柄と思しきテーブルクロスに置かれた食材は、ポテトチップスだった。食材とは程遠いが、仕方が無いといえた。その皿に収まるポテトチップスの横に、クッキーとチョコレート、サブレが添えてある。皿が茶色に滲んでいるようにみえた。
 そうして僕は、どうせ晩ご飯も朝御飯も食べる事は無いだろうと思い女を眺める。潤う唇にポテトチップスが咥えられ、音を立てて食されていた。ぼろぼろと零れ落ちる屑、ブラウスが汚れていく。
 目の前の女は、まるでパーティードレスさながらの恰好をしていた。襟にフリル、前止めの宝石の様なボタン。袖の縁は大きく取ってあり、中世ヨーロッパのブラウスに似ていた。そのブラウスの丈は長く、スカートの中に入れずに外へ出していた。その可笑しな姿を眼に留めると、ふと気になる事があった。
「君は今朝、そんな恰好していなかったよね?」と僕。
「さっき着替えたんだ。この時のために、おめかし……したの」と女。
「どうして?」と僕は促す。
「分かってる癖に……」と女は微笑む。
「まあね」と僕は苦笑。
 僕は立ち上がり、横に座らしておいた――その女性――の肩に、そっと手を添えた。そうして、膣の在る腹部に近づいた。女性の手に持たれていた“それ”に頬を寄せ、そっと“それ”の耳元で囁く。「しようよ……」と。そのまま、その“それ”を舐めずり廻し、唇に貪りついた。
「愛でたい、愛でるよ、ねっ、いいでしょう?」と僕。
「――――」“それ”は当たり前に無言だった。
「いつもの様にしてよ」と僕はニンマリ。
 僕は女を眺めながら、その“それ”を自分の下半身に押し当てた。そして女に尋ねる、「ねえ、幽霊っているのかな?」。女は「これからなるんだよ、ゆうちゃん」と答えた。
 そうだよな、どう転んでも天国へは行けやしないか……天国なんてあるのかな? 死んだ先なんて、どうせ何も無いところなんだろうけど。
 身震いが起こり下半身に信号が流れ、僕は発射した。その女性の、その“それ”に汁が掛かった。いつものことだった。
 女は、ぼうっとして物欲しそうに僕を眺めていた。その女のせいで満足感が低下した。嫌悪感を覚えた。――この女とは共有したくない。



 4.
 昨日僕と姉と他のメンバーで、別荘へ来ていた。地元から少し離れた避暑地だった。残暑厳しい盆過ぎに、宿題の残りを仲間で片付けよう、というのが目的で友人に誘われる事になった。特に断る理由もなかったもので、僕は姉を連れて参加することにした。姉が居なければ行く気にもならないが、それはさておいて。
 なかなかに多い人数、八人構成で別荘がある高原に到着した。なだらかな山を登り、ひんやりとした雰囲気が漂う、緑溢れる癒しの高原の別荘に辿り着いた。姉が笑顔だったため、来て良かったと僕は感じていた。
 別荘の玄関の前に立つと、結構な敷地面積に驚いた。日本情緒には不釣合いな外観は、洋館を思わせる作り、庭は適度に手入れをなされていた。僕らはとりあえず、くたくたになった脚を休ませ、そして一息つくため食堂に向かうことになった。
 各々食堂の壁際へバッグを置く。僕は姉の手を取って椅子に座る。ぞろぞろと人が椅子へ座り始める。僕を含め男四人、女三人と姉の計八人全員が着席した頃――この別荘へ誘った同級生は席を立ち、真っ白なテーブルクロスが掛かる長いテーブルの前で語り始めた。眼鏡を掛けた、さも学がありそうな女だった。
「よく来て下さいました。盆も過ぎて、そろそろ新学期かという所ですが……皆様に来て頂いたのは他でも御座いません。遊びきった残り少ない夏休みの宿題――これを一気に片してしまおう、ということでしたが……あれは嘘です。いやあ、ビックリしました?」
 と、一人興奮気味の眼鏡っ子。手が上下左右と自在に動き回り、アメリカンナイズドされたように大げさなジェスチャー混じりで語る。
 そこの見た目は学がありそうで頭は少し可哀相な眼鏡っ子に比べ、何か有り気な話しを聞かされるこちら側との温度差が、如実に現れていた。他は溜め息を吐いていた。
 しかし、温度差確執などを気にする素振りは全く魅せず、眼鏡っ子は意気揚々と熱弁を奮う。
「やはり、夏! そして盆とくれば只一つ……“肝試し”でしょう。宿題なんてのは放っておいて――ですね、今晩は幽霊体験と行きましょう! だあって、ほうら、出るんです……この屋敷に幽霊が出るんですよ。リアル幽霊体験なんて楽しくありませんか? 私など、もう楽しくって楽しくって、憤ってしまいます」
 過度の熱弁は約十分間繰り広げられ、眼鏡っ子は、はあんはあんと息を切らし顔全体が朱を帯びて、汗ばんでいた。憤っていると言ってかなり興奮のご様子、軽く痛々しさに当てられる結果になった。
 しかし、糞下らないと感じている最中、辺りを見渡してしてみると、残念なことにあらかたのメンバーが賛同していた。僕とは違う意味合いで当てられたようで、学あり気な眼鏡っ子の想いが届いたらしく、他のメンバーは俄然ヤル気が出ていた。
「はぁあ」と溜め息一つ。
 面倒臭い事この上ないが、僕一人反対したところで何も変わらないと思い、話の続きを聞くことにした。
「ですから今晩十二時より、この食堂から“肝試し”本物幽霊ツアーへ出発します」と、嬉しそうに語る眼鏡っ子。
 僕は話し半分に聞きながら、この退屈の連続をどう回避するかを考えていた。とりあえず横に座る姉を眺め癒されよう。
 姉の西城綾《さいじょうあや》。一つ年上。髪は黒、肩下まで伸びている髪を、うなじ辺りで一つに括っている。黒のファーの付いたゴムだ。眼の位置で整えられた前髪を紺のピンで止め、流して額をあらわにしていた――あらわにさせていた。眼はくりっと大きくふっくらとした下膨れ気味の頬、醸し出す雰囲気は中学生を彷彿とさせていた。うちの高校で唯一化粧をしていなかった、させる訳がない。手に丁度良い83cmのおっぱい、その上下にギャザーが入る胸開きの白いチュニック、さらに錦糸でペイズリー柄が入る。雪の様な白い肌が綺麗だ。生デニムの濃紺スカートは膝に少し掛かる程度に抑え、あまり挑発しないようにさせている――化粧同様、しょうもない雄どもが、わらわらと纏わり付くと面倒極まりない。白いソックスは綿100%の凹凸が入る縦じま――赤いハイカットローテクスニーカー。こればっかりはヴァンズメーカーを指定した。コンバースはありきたりだから、姉には違うものを履かせてみた。
 姉のすばらしいキュートな容姿を堪能すると、やはりと言うべきか、むくむくと下半身に血が集まり充血してきた。くらりと脳が刺激され、興奮と欲望が込み上げる。僕はさも当たり前かのように、姉の肩に顎を置いた。
「綾ちゃん、さわるよ」
 すうっとテーブルの下から手を伸ばし、姉の太ももに手を添える。むっちりとした太ももの、押せばめり込んでいくが崩れない、やわらかな感触を楽しみながら、奥へ手を這わしていく。その先には、薄いオレンジのコットンショーツがある。
 すると、もじもじと太ももと太ももが擦れ合い、手が挟まれて動かせなくなった、困ったものだ。
「ゆうちゃん、部屋に戻ってからじゃ駄目……かな?」姉の潤う瞳が僕を犯す。
「やだ」
 止めないでと訴えているようにしか見えない潤んだ瞳は、そういう、いやいやをするプレイの前振りだろうか……反対に弄る手を止めると、姉は切なく口を尖らせるかも知れない。僕は恥辱する事を姉に求められている、と感じ、手を一旦太ももから抜いて姉の耳元で囁いた。
「ねえ綾ちゃん、太もも開いてみせて」
 そう言って、僕はおもむろに重なる太ももを抉じ開け、恥部の突起物を勢いよく小突いた。――「ひゃうん……」姉は驚いて甘い吐息を吐いた。
 僕はゆうっくりと諭すように、一言一言ハッキリとした口調で、再度耳元に顔を近づけ口を開いた。
「ね? 綾ちゃん。脚を開こうねっ」と、にっこりと最高の笑顔が出ていたと思う。
 コクコクと可愛らしく頭を上下させ、じりじりと脚が開いていく。僕は「綾ちゃん可愛いよ」そう言って、黒のスカートを腰に向かって引き上げていく。誰にも見えないようにテーブルの下で行い、すべすべの肌を味わいながら、オレンジのショーツを楽しむ。
「ゆうちゃん……あんまり激しくしちゃ、やだよ」
「うん」
 姉は敏感すぎて、あまりヤりすぎると声が漏れる。頑張って我慢しているつもりだろうけど、表情に出てしまう、声が漏れるどころか、分かり易く喘いでしまう。
 僕はショーツの窪みに手を当てて、適度になぞり続けた。歓喜の声を張り上げないように、適度に、もてあそぶ。「ゆう……ちゃん」姉は僕の腕をぎゅっと掴む。下を向いて口を瞑っていた、身体が小刻みに震えていた。
「綾ちゃん、疲れたの?」
 眼鏡の話しを真剣に聞いている、何気に幽霊ツアーとか阿呆臭い事に乗り気なメンバーへ聞こえるよう、姉に声を掛ける。
 このどうでもいい肝試しの話しを切り上げさせるため、姉と楽しむ素敵プレイを悟られないために、胡散臭く姉の肩をさすった。
 早く切り上げたいな……割り当てられている部屋に戻り、この続きがしたい。
 撫でるショーツの割れ目から、分泌される液体が指に絡みつく。そうして、太ももとショーツの間から汗が滲み出て、汗ばんだ肌は僕の手に吸い付いていた。絹の表面をした餅のような太ももと、湿った綿生地のショーツのゴワゴワした感触、姉に限らず僕の下半身も限界がきていた。
 僕はおもむろに姉の手を取った。
「ゆうちゃん?」小声で僕の名を呼ぶ。
 無言で掴んだ手を僕の下半身に押し当てた。「んもう……」と、一言姉は呟いた。僕は大げさに姉の肩をさすり、眼鏡っ子を真剣な眼差しで一瞥、辺りに視線を送り語る。
「うちの姉は身体があまり丈夫な方ではなく、道中かなり疲れたそうです。座って居るのも辛いそうなので、一度解散というのはどうでしょうか」
 そう言いながらも僕の下半身は、姉の手のひらと指の感触を楽しんでいた。姉によってジッパーが下ろされ、トランクス越しに硬化したモノを指でなぞる。くみくみとしたローストロークは、慣れ親しんだ動きだった。
「僕がどうこう言うのも可笑しい話ですが、とりあえず晩ご飯の時にでも集まって、えーと、リアル幽霊ツアーですよね。それを詰めていきましょうよ」
 トランクス越しは飽きたようで、姉はトランクスのギャザーを広げ、直接中に手を差し込む。
「ねぇゆうちゃん、ぴゅうぴゅう良い?」姉は屈託のない笑顔で囁く。「今から部屋に戻るようにしてるから、もちょっとまってよ」僕は言い聞かせ、姉の手を粘着性のある半濁した液体で汚し続けた。
「どうでしょうか、皆様」
 僕の案に眼鏡っ子は深く頷き、今後の予定をグループに伝えた。
「そうですね、西城君の言う通り、夕飯に又ココで集合って事にしましょうか。もしかしたらそのまま幽霊探しに出かけるかも知れません、ジャージでも何でもいいので、動きやすい格好でお願いしますね。部屋の割り当ては……と」
 そんな眼鏡っ子の話しが続く中、硬化したモノを握る姉の手が、徐々に速度を速めていた。さすがに僕の呼吸が荒くなる。
「綾ちゃん……」僕が眉をしかめながら呟くと、「出ちゃうの?」姉が心配そうな微笑で聞いてきた。
「うん」と答えると姉は「いいよ」と、もう片方の手で僕のウイークポイントを突いてくる。眼鏡っ子の話しは続いていた。
「二階に部屋が十室ほどありますので、そちらに移動お願いします。各部屋のドアには名前入りのプレートが掛かっていますので、しばらくおくつろぎ下さい。七時半には夕飯の準備が出来上がりますので、それまで自由行動です。そうそう、幽霊にはご注意下さいね」
 面白くもなんともない幽霊話を持ち出して、脅かす眼鏡を他所に、僕と姉の行為は続いていた。誰にも気付かれないハズだが、嫌に突き刺さる視線を感じた。
 姉の手を少し和らげるため、ショーツの中に指を入れ、ぐちょぐちょと音を立てた――そうして、ウィークポイントを突かれ、込み上げていた発射感が治まった。姉は下を向いたまま大口を開け、虚ろな表情を浮かべる。「綾ちゃん、部屋に行こうよ」と聞きながら、突き刺さる視線の先を探した。
 居た――向かいに座る女が、恨めしそうに僕を眺めていた。夏バテした白熊のようにテーブルの上で腕を組み、その間に顎をはめ込んでうな垂れていた。今にも頭部が溶けて、汁がテーブルに拡がりそうになっていた。――たしか、近藤という名前だったと記憶している。
 同級生だと思うが、近藤の下膨れた頬が姉に似ていたため、印象に残っていた。後のメンバーは名前すら知らない、知る必要性がない。
 僕は中指と親指をショーツの中から抜いて、姉の肩を強く抱いた。姉はコクリと頭を下げて移動を承諾、たくし上げていたスカートを姉に戻すように言い、僕のズボンをなおすように伝えた。
 再度姉は「うん」と恥かしそうにして、いそいそと僕のトランクスから憂いしく手を引き抜き、ジッパーを上げボタンを留めた。その後に姉は、ずるずると自分のスカートを戻した。
「では、解散という事で」と、眼鏡っ子の言葉と共に、各々は鞄を持ち上げて二階に向かった。
 姉に身体を預けさせて、肩を抱きながら、僕らも二階に向かう。のっぺりと溶け出していた女は眼鏡に一言声を掛け、鞄を取り二階に向かう。食堂に人は居なくなった。



 5.
 赤黒い血溜まりで、綺麗に花が咲くテーブルクロスにお菓子がある。目の前で、無表情にサブレを噛み砕く女が居る。
 横には姉の身体が、姉の手は頭部を掴んでいた。青ざめて下膨れた姉、あらわにさせていた額から鼻にかけて、白濁した液体がこびり付いていた。
 フランチャイズチェーン店――中華料理店なみに、床はねちゃねちゃと血が靴底に纏わり付いていた。ポタ……ポタ……と、天井にぶら下がる肉塊入りの袋から血液が滲み零れていた。
 四方に囲む壁は鮮やかに血を浴びて、印象画家の作品を呈していた。金銀混じる漆喰の土壁をキャンパスに、真紅の画材を丸筆平筆、または直付けして、四方各一面づつ計四枚の大作が出来上がっていた。そうして画材の真紅が酸化して、濁る赤は新たな美しさを表現する。
 窓から差し込む真っ赤な斜陽、徐々に闇が拡がってゆく。そして太陽は、山間に姿を消していく。光を背にする僕は、夕日に照らされてオレンジに染まる女を直視していた。
「ねえ、何にも入ってないからさ、ゆうちゃんも食べなよ」と女。
 少し考えて、僕はポテトチップスに手をやり、一口齧《かじ》る事にした。そうして又直視。女の情報を仕入れる。
「えっと、幽霊騒ぎだったけど、面白かった?」と僕は聞く。
「そうだね、びっくりしたかな? だってまさか私以外にいるとは思わなかったもの」と、女はサブレを齧りながら答える。
「まあね、一人目の死体が出た時に面白くなってきたよね、幽霊」僕。
「急にバタバタ死んでいくんだもん、えー私なの!? って、思ったわよ」女。
 身体を揺らし、ぼろぼろとポテトチップスをクロスにぶちまけながら、女は嬉しそうにはしゃぐ。クロスに残っていた乾燥しきれない血溜まりに破片は落ち、その血液を吸い上げていた。
「ねえ、人を殺したのはいつぐらい? 最近?」聞く僕。
「うーん、実は初めてだったりする。凄いねっ、あの感覚。しかも知らないうちに死体が増えていくし、本当にドキドキしたんだから、もう」下膨れが更に膨らんだ。
「それはごめんね、でもさあ、綾ちゃんは止めて欲しかったなぁ……だって、僕の物だから、君のじゃあないよ。君よりさ、僕の方が感動が大きいはずだし……君を殺した時はどうだろう」僕は半笑いで女に聞く。
「お姉さんには負けるかな、でも、私……綾さんみたいになりたかったな」女は残念そうに答えた。
「そう、でも綾ちゃんの代わりは出来ないよ」僕。
「どうして」女。
「最後の時に教えてあげる」と僕は笑った。
 もう血液は固まるだろうと思うが、いまだ天井から吊られる生ゴミより、酸化した肉汁が垂れ出している。それらが、女のブラウスを茶色く染めていた。手に取ったチョコレートは、やけに鉄の味がする。成分として入っている鉄分とは違うみたいだ。
 雨どいからポタポタと落ちる雨のように、天井から黒い雨が降っていた。紅い体液が変色してコールタールとみがまう程だった。



 6.
「あ、綾ちゃん……出る」
「出るの?……いいよぉ」
「あやっ……んんっ!」
 僕は姉の口内に白い液体を出した。股の間に顔を埋めていた姉は起き上がり、幸せそうに微笑む。唇から零れ出した白濁した液体は、黒い生デニム地のスカートに落ちてシミになる。姉は勿体無さそうにして、喉を鳴らし液体を飲み込んだ。
 その時いつも思う事は、その下膨れに液体を溜め込めないか、という事だった。飲んで欲しい時に飲ませたい。僕の悩みの一つだった。
 あの幽霊がどうのこうのの、眼鏡講座の後二人で二階に上がり、僕は自分の部屋に荷物を置いて、すぐに姉の部屋に来ていた。当然の事、僕も姉もあの恥辱プレイをして我慢の限界だった。姉の部屋に入るやいなや姉は僕のズボンを下ろす。トランクスも同時に下ろし、硬化し続けていたモノを咥える。咥えながら姉は自分で裾を胸の上部まで持ち上げて僕の手を取り、おっぱいに当てた。何かと外しやすいため、常に付けさせていたフロントホックのブラジャーを外し弄った。今日はショーツと揃えたオレンジのブラジャーだ。
 姉の口元から溢れ出した液体は、更にオレンジのブラジャーに引っ掛かり、パステル調になり色鮮やかだった。それが繊維に染み込んでいく、汚れたオレンジのブラジャーにかわった。それも又、色鮮やかで綺麗だった。
 それよりも綺麗なのは、小ぶりなおっぱいに掛かる白が雪の様な肌の谷間に溜まると、シャーベットのように見えて感動すら覚える事だ。しかしシャーベットと思って食べると苦いのは、どうにかしてほしい。その時、姉に「ゆうちゃんのえっち」と言われるのが、もう堪らない。
 そうして事終えて、クローゼットからタオルケットを持って来て、姉と二人重なり合う。ミルクのような匂いのする姉に抱かれて、仮眠のつもりがベッドでしっかりと寝てしまった。姉に頭を撫でられながら、深い眠りにつく――僕と姉が目覚めることになったのは、一階から悲鳴が聞こえた時だった。


 ☆


 ――「誰かぁ!」――
 僕の身体は揺さぶられる、目を擦りながら身体を起こすと、心配そうな姉の顔があった。
「何?」
「あのね、一階から悲鳴が上がったみたいなの」
 ――「いやぁああ」――
「ああ、面倒くさい」僕は言い放った。心配そうな面持ちの姉の額にキスをする。「綾ちゃん、もっかいしよ?」寝起きの僕の下半身は生理現象を受けて、硬化していた。
「でも……廊下がバタバタと音がしてるから、誰かに呼び出されるかもしれないし、ゆうちゃん……途中で止めいといけなくなったら、ヤでしょう」
 困った様子で、姉は口元に人差し指を当て、眉と眼が垂れた。確かにそうだった、途中で止められると、止めたそいつを殺してやろうと思うのは、過去の経験から物語っていた。
 僕は立ち上がり、膝までずり落ちていたズボンを上げる。姉はベッドの下に、畳んで置いておいた汚れたスカートとチュニックを着て、手ぐしで髪の毛を整える。「綾ちゃん行こうよ」と声を掛けて、手を繋いで一階に向かった。
「ゆうちゃん、いったい何があったのかな?」
「知らない」
 一階に着くと、食堂の辺りがざわついていた。姉の手を引っ張りながら、入り口に差し掛かった。入り口に三人程男が、でくの坊のように立っていたので背を叩く。「どうしたんですか?」と一人の男に聞いてみた。無言だった。
 仕方なく肩をぶつけ、食い込むように乗り出して食堂内に入ると、目の前に女がテーブルの上に横たわっていた。食堂内にはメンバー全員が揃っていた。センスのある染まり方をしている、血染めのテーブルクロスが目に入った。染まり上がった真紅のテーブルクロス、食い入るように眺めた。
 そうしてテーブル前に呆然と立ち竦む眼鏡と、その横で泣きじゃくる近藤の叫び声で我に返った。
「いやぁぁぁ、杏ちゃぁん」
 近藤は杏とか言う女の名を呼びながら、その死体を揺さぶる。眼鏡は振り向いて叫んでいた。
「コレは、これは幽霊の仕業です。私たちは全員幽霊に殺されるのです!」と、訳の分からない事をほざいていた。さっぱり意味が分からない。
 僕は姉の手を取ったまま、その美しい死体に近づく。姉の手は乾いていた。さらさらでぽにぽにして気持ちよかった。
 死体の前に着くと、足元で近藤が泣き崩れていた。上目遣いで近藤は僕を一瞥して、すぐに蹲り引き笑いのよに泣いていた――近藤の潤んだ眼の奥が、くすんでいるように、見えた。
 シャンゼリアタイプの蛍光灯が煌々と輝く中で、死体は仰向けに転がっていた。手と足はだらりとテーブルから垂れ下がり、失禁の跡が在った。あまり真紅のクロスに合わない色彩だった。黄は混ざる際、濁り方が悪い――このションベン跡は確認したくなかった。
 すっかり陽は沈み、虫の鳴き声が聞こえてきていた。
 死体の顔はどうでもいいので、殺害の原因を探る。まあ血の出どころから原因は分かった。背中から血が溢れ出し、クロスが血を吸い上げていた。ちゃぷりという音と共に、テーブルと背中の間に手を差し込んだ。脊髄に沿ってぱっくり二枚に下ろされているのが感触で確認できた。
 ――明らかに刃物で裂かれていた。
「ねえ、ゆうちゃん……怖いねぇ」
 そう言って、姉は死体を触る。たぷたぷとお腹の辺りを叩きながら、僕に眼を向ける。「死んじゃってる?」一言聞かれ、「幽霊に殺されたんだよ」と嘘だと分かっていて僕は呟いた。
「怖い怖いよう」
 姉は怯えることもなく、死体をいじくり回す。
 この光景が、メンバー内では異様だったらしく、さめざめした雰囲気に包まれる。僕と姉は、メンバーに白い眼で見られているのが分かり急いで姉を小突いた。姉はコクリをいつのもように可愛らしく頭を下げて、僕の腕にしがみ付いた。
「ゆうちゃん、幽霊、幽霊。こわいぃ」そうやって怯えさせた。
 姉の仕草は、どれもが僕の下半身を硬化させるには十分だった。小刻みに震えながらしがみ付いて、おっぱいを歪ませる姉は最高だった。
 先ほど幽霊だとか、馬鹿馬鹿しい事を口にしていた眼鏡は、近藤の肩を抱いている。根拠も何もない状況で幽霊と言い続ける眼鏡は、気が違っているのかと思わせる程可哀相な方だった。敬語を使いたくなる程痛々しい――まあ幽霊騒ぎに対して、何かあると思われる。
 僕は僕で、幽霊騒ぎの方が今後の展開を考えると都合が良かった。
 怯える芝居の姉を抱き「大丈夫だから、大丈夫だから」と言い聞かせる素振りを見せて、姉の手を取った。後は、そっとズボンに手を近づける。姉は「いやんいやん」と声を張り上げながら、おっぱいを押し付けて、硬化したモノに手を添える。
 僕は死体を眺めながら「死体、綺麗だよ……」と囁いた。
「皆さんとりあえず、部屋に戻って避難して下さい。逃げるにしても何にしても、一旦部屋に戻って荷物をまとめて下さい」眼鏡が鬱陶しく吠える。
 それを聞いた男どもは一斉に逃げ出し、食堂から姿を消した。残ったのは僕と姉と、女二人と死体だった。
「むべぁ」という格好の悪い、雑魚の奇声が聞こえたのは、男どもが逃げ出した直後だった。



 7.
 さて、目の前の近藤には興味をそそられないが、幽霊騒ぎの総括的な話で盛り上がりをみせてた。相変わらずポタポタと、天井の物体から赤黒い雨が降り注ぐ、そろそろ肉汁が固まり始める頃だった。
 血が溜まる皿に盛り付けられていた菓子は、そろそろ無くなりかけていた。最後のチョコレートを取ろうと手を伸ばしたが、一体チョコレートなのか、酸化して結晶板が凝固した血液なのか、イマイチ分からない。仕方なく両方取って口に入れた、変な味がした。体液に関しては、姉の愛液が一番美味しい。
「近藤さん、ちょっと話しが面白くなってきたから、食べ物探してくるよ」
「近藤なんて嫌、綾って呼んでよ……」
「鈍器で殴るよ?」僕は冷めた眼で一瞥した後、笑顔をみせた。
「ごめんなさい。じゃあ、結衣って呼び捨てにして」しゅんとした後、近藤は満面の笑みを浮かべていた。
「やだ」僕は結衣《ゆい》とかいう名前を覚えるわけがなかった。やはり必要性が感じられない。
 僕は調理室に行って冷蔵庫を漁る。冷蔵庫を開いてみてもライトは点灯しなかった。眼鏡が持ってきたであろう食材は、案の定どれもこれもが腐っていた。一人目の死体が出た時、既に電話回線は切られていた。二人目の死体が出来上がった直後、電柱と建物の間に電気線は二つに分かれ垂れ下がっていた。庭先で高枝切りバサミが発見された。
 冷蔵庫の中にある異臭放つ食材を諦め、足元に転がる死体を小突き、仰向けにさせた。僕はしゃがみ込み、面白いように素敵な角度にへしゃげる関節を払いのけながら、全てのポケットに手を入れた。しかし、何も入っていない。 邪魔だったので、固く絞った濡れ雑巾のような死体を転がし壁際に追いやった。
 僕は年代モノのキッチンコンロの前に立つ、最後の仕上げに入った。コンロの元栓を全開にして、スイッチを入れる――チチチチ……いい感じに火花が走り青白い炎が付いた。姉の居ない生活など生きるに値しない、素敵であり哀しい出来事を、近藤と会話した後どうなるか楽しみしだ。――「ふうう」と炎を吹き消して、無臭のガスは垂れ流しになった。
「やっぱり何もないよ」と僕は調理室のドアから顔を出した。
「でしょう、あと食べる物っていったら……そうね、私かなぁ」近藤の背中しか見えなかったが、下膨れがどうなっていたのか気になった。
 姉と同じ下膨れの頬が僕を殺意から遠ざける。同じ感覚、ベビィフェイスでロリ顔のため近藤に殺意が芽生えない。しかし姉とは違う――決定的な違いが、近藤を受け入れないでいた。その癖、姉になりたがる……僕は嫌悪感を覚える。奇妙な感覚に捕らわれていた。
 奇妙な関係、それは僕にとって普通だった、姉にとってはどうだったのだろう、近藤にとっても普通なのかも知れない。


 ☆


 食べ物は無いが気にせずに、幽霊騒動の話しに華が咲いていた。近藤は床にガスがはっている事に気が付かず、話は弾む。紅い陽は落ちきって、辺りが暗闇に覆われだしていた。
「でね、優子が言うのよ、男は誰も殺してないのにって」
「へえ、そうなんだ。んで、優子って誰?」
 近藤は指を天井に差して、「この子」と言う。袋詰めされて天井から吊られている肉塊の事だった、唯一雨を降らせていた肉だ。見上げてみると、携帯ストラップの様に眼鏡が袋に引っ掛けられていた。
「あの眼鏡可愛いでしょう? アクセサリーみたいで」と近藤はけらけらと笑いをあげる。
「そうだね」と僕。
「優子が最後で、それで今ゆうちゃんと一緒に居るの」と、近藤は物憂いしくマジマジと僕の方に見入る。
 眼鏡っ子が最後、近藤に殺されて幽霊騒動の話しは終っていた。食べ物の無い晩餐会は続く……
 近藤は「少し暗くなってきたから」と言って、調理室に蝋燭を取りに行った。電気が断線しているため、蛍光灯が点かない。すると奥の調理室から嘆いた声がした「蝋燭がないわ」と。
 垂れ流れるガスに引火してもつまらない、僕は漆喰がキラキラと輝く土壁に近づき窓を閉めた。
「月夜のが綺麗だ……星が取れるようだよ」と、僕は調理室から出てくる近藤に向かって振り向いた。
「本当ね、ゆうちゃんも素敵だよ」と、斑模様《まだらもよう》のブラウスを近藤はなびかせる。
「蝋燭はいいよ。そうだ、入り口を閉めてよ」と僕、密閉したかった。
「どうして?」と近藤、不思議そう。
「ほら、幽霊が入ってきたらやだから……二人になりたいな」僕はウインク、半分嘘混じり。少しづつ近藤に惹かれていた。
「ゆうちゃん……ばかねぇ、幽霊は私とゆうちゃんだよっ」にぃっこりと笑み、たっぷりとしたフレアロングスカートは翻った。
 黒のロングスカートは幾重にもなる裏地によって盛り上がる、血痕が水玉模様のように浮かび上がるスカートの表面は、まるで姉のスカートのようにシミになっていた。僕の分身が繊維に侵食して干からびて、取れないシミになったように、スカートは血痕で汚れていた。
「近藤……座って」僕は近藤の椅子を引く。「ありがと」と答えて椅子に座った。そうして隣に座り、向かいの姉を眺める。手元にある姉の頭部は、額から鼻にかけて伸びていた精子が口元に入り込んでいた。半開きの唇から進入していた。卑猥だった、しかし綺麗で美しい。
 眺めていた近藤も「綺麗ね……」と囁く。「いつでも私に言ってくれれば……」と、近藤は羨ましそうに視線を向けていた。僕は「じゃあ、これから」数時間後の事を楽しみにしながら答えた、ガスもプレイも、と想いながら。
 楽しく情報を交換していると、そろそろ幽霊騒動の話題も尽きてきて、自然とお互い持ち合わせる異常性と、その性癖について意見を交わすようになってきていた。
 じわりじわりとガスは充満していた。調理室と繋がる食堂は広々としていて、気を失うまでには、じゅうにぶんに時間はあった。終焉までのカウントダウンが始じまる。


 ☆


「さっきも聞いたけど、人を殺したのは初めてだって言ってたよね」と僕。
「うん」と近藤。
「初めて生き物を殺したのは何で、どうだったの?」僕の質問に近藤は眼を輝かせる。
「うんっとね、初めはペットのヌコちゃん」オーバージェスチャーで猫の形をとる。
「可愛かったんだぁ、溺愛だったの。ヌコちゃんの名前はタロスケ。でもね、最初は事故だったのぉ……雨の日にね、手摺りから足を滑らしちゃって、そうしてマンションの八階から落ちちゃって、四本とも足が変な方向に向いちゃってて、もう駄目だと思って」悲しげな近藤。
「それで」と僕。
「それでね、マンションの公園に埋めたの……もう助からないって勘違いしちゃて、ドロだらけになりながら、一生懸命埋めたの。うんしょうんしょって、そうしてタロスケ見てみたら、足が土からハミ出しちゃってるの……」近藤は頬杖を突き、物思いに吹ける。
「足……動いてたんだろ」と悪戯っぽく聞いてみた。
「うん!」イキナリ近藤の曇りがちだった表情がぱっと明るくなる。「埋めちゃった後に気付いたらタロスケ、ピクピクしてるの、雨も降ってるでしょう、どんどんタロスケ動かなくなってきて……ゆうちゃん、その時の気持ち、わかる?」近藤は肩をよせる。
「今は分かんない、感覚が麻痺してるから、あの当時だったら分かるかも……」僕。
「凄いよゆうちゃん、そこまで逝っちゃってるんだ」クスクスと笑い「あのねあのね、タロスケが死んじゃうぅって苦しいの、でも……きもちいの。背筋からぞくぞくぞくぅってして、でも胸がきゅぅうって刺さるように痛くて、でもドクンドクンって内側から心臓が飛び出しそうで、訳がわかんなくなった」近藤は手を胸に押し付けて嘆く。
「へえぇ、僕と少し似てるね」マジマジと近藤を見据える。
「そうかなぁ、だあって綾さん殺そうとか思わないでしょう? 私は殺したくなるもの」近藤の眉間にしわがよる。
「僕はそんなに強くないから、愛している人を殺せないよ、その気持ちは分かるけどね。で、近藤は訳わかんなくなってからどうだったの? 続き教えてよ」聞く僕。
「うん。訳のわからないまま家に帰って、ベットの上で大声で泣いたの。でもね、心の中ではカラ笑いが続いてて、ゆうちゃんには見せられないぐらい赤く腫れて、むくんでた。それでもわんわん泣いて、もう枯れるんじゃないかってくらい泣いて、タロスケのこと考えたらドキドキが止まらないし……複雑だったなぁ」口を瞑る近藤は、天井から吊られ血が滴り落ちる袋を見上げる
「そうなんだ」と僕は合槌を打つ。
「私ね、あと九官鳥飼っててピヨちゃんって言うんだけど、その子がダイジョウブダイジョウブって励ましてくれるの、ユイ――イイコイイコってね。思わずピヨの所に走って、籠からピヨちゃん出してきて思いっきり抱きしめてた」近藤は自身の肩を締め付ける。
「で、殺しちゃったんだ」僕は確信を突く。
「ゴキッって、首の骨を折った。ピヨちゃん、ダランとして、最後の言葉は……ユイヲマモルだった」近藤は徐々に震え出す。
「どうだった?」何食わぬ僕。
「正直に言うね、その時はまだ殺すつもりはなかったの、ピヨちゃんに慰めてもらって嬉しかったな。私寂しがり屋さんだから、ペットを何個か飼っててね、ピヨちゃんありがとうって……でも、その後、タロスケの剥き出した足を思い出したら」近藤。
「思い出したら?」僕。
「体が勝手に動いてたよ。身体と頭を両手で持って……捻っちゃってたの、気持ちよくね。それでも意識だけはしっかりあって、鮮明に覚えてる」乾いた表情――眼は笑っている。近藤の手は小刻みに震える。
「その後は?」近藤の本質を導こうと僕は眼を直視して離さない。
「逝った」強張っていた……その近藤の面持ち。「その時は何の事か分からなかったけど、今は解る。思いっきりイッてた。高校に入ってから処女失って、その後にハッキリと、あの時逝ったと理解した。ピヨちゃんが決定打、好きな物を全て壊したい、好きになったら壊さずにはいられない。壊す事で快楽と自分の存在価値を見出す」近藤の地が現れた。
「ねえねえ、近藤。キャラ戻ってるよ」僕は大いに面白かった、近藤に対して下半身が微かに硬くなってきていた。
「もう、近藤……地が出てるって」僕は大口を開けた。笑いが止まらない。
「本当だ」近藤も笑う、大口を開けて。
「西城君、折角だから地で行くよ。私はお姉さんも好きだった、可愛らしくて、お茶目で、そして西城君に溺愛されている。それを調教と言うのかも知れないが、私に無いものを持っていたから憧れもあったし、お姉さんも好きだった。私は西城君が好きだから、お姉さんの位置に立ちたかったんだ」地の近藤。
「だいぶ壊れちゃってるけれど、結衣だっけな、罪悪感は……ある? 怖い?」僕は確認をする。
「罪悪感は解らない、もう無いと思われるが、恐怖感はある。このまま私はどうなるのだろうかって、それは思うな。あと結衣で合っている」近藤は無表情で首の無い姉を凝視。
「そう……結衣の事、誤解していたみたいだ。綾ちゃんと同じ方向性だよ」僕、少し近藤が分かりかけてきた。
「西城君。お姉さんの事、聞かせて貰えないかな? お姉さんのようになりたい上、お姉さんを知りたい。そして西城君の事も」身体を向かいに合わせ、近藤は僕を直視。
「そうだね、いいよ、聞かせてあげる。その代わり、綾ちゃんになれと言えば綾ちゃんになれ、そして結衣になれと言えば結いになれ、それが条件。僕は綾ちゃんの話をしながら、綾ちゃんと一緒に居たい。君は綾ちゃんで話を聞け。分かった? 綾ちゃん」と僕。
「うん! いいよぉ、ゆうちゃん、おねがい」と近藤だった。


 ☆


 その直後、近藤にブラウスのボタンを外させた。乾燥した液体に塗れたオレンジのブラが、胸元から飛び出した。中に手を手を入れ込んで弄り、「バストは?」と聞いた。近藤は「いつもさわっているのに……88cmだよぅ」と答える。
 まあ、悪くないな。もう少し小ぶりの方が良いと思いながら、ぐいっと耳元へ顔をやり、息を吹きか掛けて囁く「硬くなってるよ、さわって」と。すっと近藤の手を取って、「ほら、綾ちゃん」と今度は軽く耳を噛んだ。
「今じゃなきゃ、ダメ?」
「うん、駄目」
 首の無い、手には顔が置いてある姉さんに見つめられながら、手淫が始まる。近藤の免疫が無い硬化したものは、新鮮な感触を楽しむ。二、三度擦られて、すぐに射精した。程よく精子がほとばしり、姉が履くヴァンズの赤いハイカットのスニーカーは、真っ白になって染み込んでゆき、そうして汚れた赤いキャンパスの生地が現れた。――ありえない程の量が出た。
「はあはあはあ……」
 僕は近藤の膝に頭を乗せる。テーブルの下で姉と目が合った、喜んでいるのか悲しんでいるのか、微妙な表情をしていた。
「ゆうちゃん、気持ちいかった?」
 ふくよかな腰を抱きしめてた。徐々に愛おしさが芽生えてきていた。近藤の膝の上で、僕は姉との経緯を語り始める事にした。
 ほどほどに、ガスは室内に充満していると感じていた。近藤は真新しい姉さんになりながら、僕の頭を優しく撫でていた。僕と近藤は生臭い匂いがした。

  1. 2006/11/26(日) 05:25:39|
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